毎月第1・3金曜日 夜7時〜8時/湧学館文化教室にて

平成25年度


▲9/6 黒滝レポート “木曾義仲を追って”

平成25年度 年間進行状況

   平成25年度
   4月 5日(金) 〔巻六〕 「祇園女御」
   4月19日(金) 〔巻六〕 「嗄声」
   5月10日(金) 〔巻六〕 「嗄声」「横田河原合戦」
   5月24日(金) 〔巻六〕 「横田河原合戦」
   6月 7日(金) 〔巻七〕 「清水冠者」「北国下向」
   6月21日(金) 〔巻七〕 「竹生島詣」「火打合戦」
   7月 5日(金) 〔巻七〕 「火打合戦」「願書」「倶梨迦羅落」
   7月19日(金) 〔巻七〕 「篠原合戦」「実盛」
   8月 2日(金) 〔巻七〕 「実盛」「玄坊」
   8月23日(金) 〔巻七〕 「木曾山門牒状」
 * 9月 6日(金) 黒滝レポート “木曾義仲を追って”
   9月20日(金) 〔巻七〕 「返牒」「平家山門連署」
  10月 4日(金) 〔巻七〕 「主上都落」
  10月25日(金) 〔巻七〕 「維盛都落」
  11月 1日(金) 〔巻七〕 「聖主臨幸」
  11月15日(金) 〔巻七〕 「忠度都落」
  12月 6日(金) 〔巻七〕 「経正都落」
  12月20日(金) 〔巻七〕 「青山之沙汰」「一門都落」
   1月10日(金) 〔巻七〕 「一門都落」「福原落」
   1月24日(金) 〔巻七〕 「福原落」
   2月 7日(金) 〔巻八〕 「山門御幸」
   2月21日(金) 〔巻八〕 「名虎」
   3月 7日(金) 〔巻八〕 「名虎」「緒環」
   3月28日(金) 〔巻八〕 「緒環」

             


平成25年度 この一年間振り返って  村山 功一

  平成25年度も終わりに近づき、また、一年を振り返る時節となりました。いつものことながら、この時期になると“時の流れ”の速さを痛感します。

  さて、私たちの会も順調に回を重ね、現在巻七の後半を読んでおり、年度内には巻八に入れそうです。とは言いながら〈〜みな往生の素懐をとげけるとぞきこえし〉(灌頂巻)という最後の一節を読み終えるまでには、まだ相当かかるでしょう。まさに〈前途程遠し…〉の感を強くしますが、同時にそれは一つの励みでもあります。メンバーの皆さんと一緒に、意欲的に読み進めたいと思います。

  『平家』には特定の“主人公”は存在しませんが、物語の構成は三人の人物を中心に展開されます。平清盛、木曾義仲、源義経の三人です。現在読んでいる巻七は“義仲物語”に当たります。そんな訳で今年の《黒滝レポート》は「木曾義仲を追う」とし、黒滝さんには京都を離れ義仲挙兵の地といわれる信州(長野県)上田、義仲が葬られている近江(滋賀県)の「義仲寺」周辺を巡ってもらい、その結果を9月6日の定例会で発表してもらいました。このレポートで、ずっと気になっていた“山吹(巴とともに義仲に仕えた女武者)”のお墓も、この寺の境内にあることを知り(映像も見て)感激でした。義仲、巴とともに入京後程なく病死したこともあり、あまり語られることのない山吹ですが、義仲寺にそのお墓を確認し、何かホッとしました。同時に、彼女の運命を象徴するかのように、義仲、巴のお墓から少し離れてひっそりと建つ風情も印象的でした。

  今回はこれとは別に、驚くべき“仰天レポート”がありました。道案内の漁民を無残に斬り捨てた源氏の武将佐々木盛綱の子孫の方たちが、先祖が犯した罪を八百年を経て謝罪に行ったという、途方もない話です。その内容は勿論ですが何より衝撃的だったのは、『平家』に登場する人物を先祖とする人々が、今でも普通に生活をし、隣に住んでいたり、さりげなくこんな話をしてくれたりする京都という街の一種の“物凄さ”でした。それが千年の都、京都の持つ奥深さであり魅力でもあります。『平家』もまた読めば読むほど奥深い作品です。だからこそ尽きせぬ魅力があるのだろう……そう感じた一年でした。

  新年度、私たちの『平家』もいよいよ佳境に入ります。さらに研鑽を重ね、メンバーの皆さんと一緒に味わい、愉しみたいと思います。

  一年間お世話になりました関係各位に厚くお礼申し上げます。
             


「京極読書新聞」 関連

 ■袖珍文庫と『源平盛衰記』をめぐって(村山功一) 第47号 (H25.7)
 ■京都は深い、そして「平家」も…(黒滝千織)    第53号 (H26.1)



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